Mの夢 　このMというのは数年前に死んだ俳優の事である。 夢というのは、私が寝ていた時に見た夢の事である。 Mが死んだ後、私の夢に出てきた事がある。 　晴れた日の明るい海辺に、歳は５０代位のMが豪華客船の船長が身に着けるような服を着て帽子を被り立っていた。髭もあった。 　私に自分の船を見せて、『私の船に乗りませんか？』と誘った。Mは神妙な？顔をしていた。 　別の日にも、また夢に現れて、同じように、私に自分の船に乗るように誘った。 ただ、前回とは打って変わって、暗雲立ち込める物凄い嵐の日だった。 　私は二度とも船に乗らなかった。 　一度目の時は、私が「・・・私に謝るわけでもなく、船に乗れとは・・・。私と和解したいのだろうか？」 などと考えていると、メールの着信音か何かが鳴って目が覚めた。 　二度目の時も、「こんな大嵐の日に船に乗れとは！・・・私に荒波の乗り越え方を教えて、鍛えてやろうとでも思っているのだろうか？・・・」などと、考えていると、目覚ましか何かが鳴って目が覚めた。 ・・・もう、Mとは縁が切れたのかもしれないな・・・。と感じた。 したい事があるなら、生きている時にしなければ駄目なのだ。 それは、私にも言える事かもしれないけれど・・・。